投資信託はバランス型1本でもいいのか、個別ファンドで各資産に分散投資した方が良いのか、外国株式と外国債券だけではダメなのか、検証してみたいと思います。
検証に使うファンドはセゾン投信のバランス型と個別ファンドはモーニングスターを使ってピックアップしたインデックスです。
関連記事:投資信託/モーニングスターの「ポートフォリオ登録」の方法
バランス型と分散投資を比較【一括投資の比較】
A:セゾンのセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドに投資
2007年7月31日にバランス型のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(外国株式50%:外国債券50%)1本に600万円一括投資すると。
購入日:2007年7月31日
投資額:600万円
分配金:再投資
手数料:0
↓
↓
2016/12/26現在の損益
投資額 | 評価額 | 損益 | % | |
セゾン投信 | 600万 | 772万 | +1,718,560 | +28.64% |
B:先進国の外国株式と外国債券の2本に分散投資
2007年7月31日に先進国の外国株式と外国債券の2本に各300万円、計600万円(50%:50%)投資すると。
購入日:2007年7月31日
投資額:600万円(各300万円)
分配金:再投資
手数料:0
↓
↓
2016/12/26現在の損益
投資額 | 評価額 | 損益 | % | |
外国株式インデックスファンド | 300万 | 399万 | +984,814 | +32.83% |
外国債券インデックスファンド | 300万 | 358万 | +576,076 | +19.20% |
合計 | 600万 | 757万 | +1,560,890 | +26.01% |
C:先進国の6資産に分散投資
2007年7月31日に先進国の株式や債券・リートなど6資産に各100万円計600万円投資すると。
購入日:2007年7月31日
投資額:600万円(各100万円)
分配金:再投資
手数料:0
↓
↓
2016/12/26現在の損益
投資額 | 評価額 | 損益 | % | |
外国株式インデックスファンド | 100万 | 133万 | +328,271 | +32.83% |
外国債券インデックスファンド | 100万 | 119万 | +192,025 | +19.20% |
三井住友・日経225オープン | 100万 | 129万 | +285,462 | +28.55% |
三井住友・日本債券インデックス・ファンド | 100万 | 124万 | +242,628 | +24.26% |
インデックスファンドJリート | 100万 | 129万 | +284,952 | +28.50% |
DIAM 世界リートインデックスF(毎月分配型) | 100万 | 130万 | +293,900 | +29.39% |
合計 | 600万 | 764万 | +1,627,238 | +27.12% |
結果をまとめると
上記の結果をまとめると次のようになります。
ただし、この結果は2007年7月31日に一括投資した後何もせずに放置した結果の損益です。つまり、あの魔のリーマン大暴落を経由しているということ。
今回比較したいのは、大きく値下がりした時に対策しやすいのはA・B・Cのどれかということです。
リーマンショック後の2009年1月時点の損益
モーニングスターで調べてみると(ざっくりですが)、セゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、リーマンショック後の2009年1月時点の損益は-38%で約228万円の含み損です。
同じく、外国株式インデックスファンドの損益は-58%で174万円の含み損、外国債券インデックスファンドも-21%で63万円の含み損です。
日本株式とJリートも-53%で、世界リートは-65%になっています。日本債券だけが+5%で他は全ファンド含み損です。
2009年1月時点の損益と対策をまとめると次のようになります。
A:バランス型
新規資金があれば追加投資。無ければ放置。リバランスする必要がないので楽です。その前に、ビビって狼狽売り(損切り)してしまうと損しか残りません。
B:2資産に分散投資
気分的には大きく下げた外国株式(-58%)を売って、その資金を外国債券(-21%)に移し換えたくなります。精神的に楽になりたいですからね。
でもここはその真逆で外国債券を売って大きく下げた外国株式を追加投資、リバランスします。
新規資金があれば追加投資で50%:50%にバランスを戻します。
リバランスも追加投資も何もせずに放置するのは、せっかくの値下がりがもったいないです。
C:6資産に分散投資
6資産分散投資は日本債券以外は大きく値下がりしているのでリバランスしようがありません。ノイローゼになりそうです。
強引にリバランスしようと思えばできないことはないですが、気分的には値下がりしている5本を損切りして唯一プラスの日本債券に資金を移し早く楽になりたい。
精神状態は多分そんな感じだ思います。
追加投資するとしても値下がりファンドが5本もあるとそれなりの資金が必要になってきます。それとそんな状況でそれなりの資金を値下がりファンドに注ぎ込めるかという問題。
少額(1万円~2万円)を追加投資しても焼け石に水。
リバランスしにくい。追加投資しにくい。となると放置するしかありません。あるいは隣の青く見える投信に乗換えたり… 後手に回りそうな予感。
ここで損切りしてしまうと損だけが残ってしまいます。
余談:我が家の投資信託の失敗
Cの6資産分散投資にある三井住友・日本債券インデックス・ファンドの、2016/12/26日現在の損益を見ると、+24.26%になっています。
ということは、我が家の投資信託も2007年7月31日に三井住友・日本債券インデックス・ファンド1本に1700万円一括投資していたら今頃2112万円の評価額。412万円の含み益です。
日本債券と言えば定期預金に毛が生えたようなもの。
我が家の投資信託は、当時預金金利が5年もので1.3%~1.5%あった定期預金をわざわざ解約してアクティブファンドの毎月分配型投信だけに注ぎ込んだので、日本債券は初めから眼中にありませんでした。
情けないですが、死ぬほど遠回りしているのは事実です。欲張るとこんなことになってしまいます。
結論
僕の経験から言うとCの6資産分散投資が一番面倒でデメリットしかないような気がします。
2016/12/26日現在の損益は何もせずに放置した結果の損益です。途中リーマンショックで大きく値下がりした含み損投信を病まずに保有し続けることができるかどうか。
多分何か余計なことをやらかして、結果、下手すると今もまだ含み損のままってことに。投信はある意味忍耐です。
追加投資・リバランスを想定すると、Aのセゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドか、Bの2資産に分散投資で十分なような気がします。
⇒ セゾン投信
まとめ
分散投資のつもりで複数のファンドを保有するとどうしても各ファンドの損益が気になります。
しかし全体を見ると結果的にはバランス型を保有しているのと同じでトータルの損益が運用結果になるのです。
あれも欲しい、これも保有したいとあれこれ手を出し過ぎると収拾がつかなくなります。投信口座の広げ過ぎも同じです。
長期で保有するという前提で考えると、その間に何が起こるかわからないので保有投信と投信口座はシンプルにして、リバランスと追加投資ができるようにしておいた方がいいと思います。
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